1991年公開のディズニーアニメ「美女と野獣」を観たことがある人は多いでしょう。
アニメーションとしては史上初めてアカデミー賞作品賞にノミネートされ、大きな話題になりましたね。
それから26年後の2017年、エマ・ワトソンが主演した実写版「美女と野獣」が公開され、こちらも大ヒットとなりました。
エマ・ワトソンが演じたヒロイン「ベル」は、時代を越えて長く愛され続けてきた人気キャラクター。
多くの女性の心を掴んで離さないベルの魅力は、いったいどこにあるのでしょうか?
ここでは、「美女と野獣」のベルが長く愛される秘密と、実写版「美女と野獣」の見どころについて紹介していきます。
1. 「美女と野獣」ベルが多くの女性から愛される理由4つ
何度もリメイクされてきた「美女と野獣」。
どのバージョンでも魅力的に描かれ、多くの人から愛されているのがヒロイン・ベルです。
特に女性からは、あらゆる世代で圧倒的な支持を得ています。
いったい、ベルが多くの女性から愛される理由には、どのようなものがあるのでしょうか?
① 「自分で行動する」ヒロイン像に憧れるから
シンデレラ、白雪姫、眠れる森の美女……。
古典的な物語に登場するヒロインはどれも、受け身で運命に流される女性です。
当時の女性にとっては当たり前だったヒロイン像ですが、今では少し時代遅れな印象を受けますよね。
そんな中、「美女と野獣」のヒロインであるベルは、自分で考えて行動するヒロインです。
自分の心に正直で、勇気を持って行動できるヒロイン・ベル。
それは、あらゆる女性が憧れる姿ですよね。
② 人を見た目で判断しない「強さ」があるから
「美女と野獣」では、野獣のライバルとなる存在としてガストンが登場します。
ガストンは自他共に認める美男子で、少々うぬぼれや。
ベルを愛するというより、「自分というハンサム男子に釣り合う美女」としてベルに求婚を迫ってきます。
しかしベルは、ガストンの言動に見て取れる意地悪な性格に嫌悪感を示し、きっぱりと拒絶。
そして、見た目は醜いけれど心が綺麗な野獣を、本気で愛します。
表面的な美醜にこだわってしまいがちな私たちにとって、ベルの「外見で判断しない」強い姿勢は、とても美しく写りますね。
③ 知的で好奇心旺盛な姿が魅力的だから
年頃の女性でありながら恋愛には関心を寄せず、読書と空想に夢中になるベル。
本によって得た知識はベルをより美しく、知的で好奇心旺盛な女性へと育てます。
読書を嗜むベルの知的な一面は、多くの女性にとって魅力的に映るのです。
④ 美人であることを鼻にかけないから
ベルという名前の意味は、フランス語で「美女」。
まさに「名は体を表す」ベルですが、本人は自分が美人であることを全く意識していません。
ベルは村ではブルーの服を着ていますが、その服も他の村人と同じように、華美なところのないシンプルなもの。
ちなみに実写版では、主演のエマ・ワトソンが「環境に配慮した素材で作って欲しい」と希望し、野菜から取った染料で染めたのだとか。
2. 「美女と野獣」ベルのドレスの色には理由があった!?
「美女と野獣」のベルと言えば、二人だけの舞踏会で着る黄色いドレスが印象的。
実はあの黄色いドレスには、ちゃんと意味が込められていたんです。
それでは、さっそくベルのドレスの色に秘められた意味について紹介していきます。
① ドレスの黄色は「知性」「自分らしさ」を表現している
ベルが舞踏会で着ていた、ひまわりを連想するような黄色い美しいドレス。
アニメ版でも実写版でも、その美しさがとても印象的ですよね。
ベルはどうして、黄色のドレスを選んだのでしょうか?
もともと黄色という色には、
- 知性
- 勉強家
- 努力家
という意味合いがあるそうです。
これらは、まさにベルの性格そのものですよね。
さらに黄色には、
- 自分らしさ
- 好奇心旺盛、チャレンジ精神がある
などの意味もあります。
アニメや映画では、キャラクターが身につける色には重要な意味があることが多いもの。
まさにベルは、黄色が持つイメージにぴったりなキャラクターだと言えますね。
② 実写版のドレスにはアニメへのオマージュが込められている
ご存じの通り、実写版「美女と野獣」でベルが着用しているドレスは、アニメ版にそっくり。
これは、衣装デザイン担当のジャクリーヌ・デュランが、アニメ版のオマージュを込めて制作したからです。
また、「美女と野獣」の舞台は18世紀のフランスですが、当時はドレスの下にコルセットを着用して、大きく膨らんだ形にするのが定番でした。
しかしベル役のエマ・ワトソンは、
「ベルは絶対に大きなデザインのドレスは着たいと思っていない」
と主張。
それを受けてジャクリーヌは、コルセットを使わないドレスをデザインしたのです。
③ 実写版のドレス製作時間はなんと12,000時間!
実写版「美女と野獣」でベルが着用した黄色いドレスは、製作になんと12,000時間も費やした大作です。
素材にはチュール、サテン・オーガンザ、タフタなどの軽い素材を使用し、デザインはロココ様式に。
そして仕上げとして、2,160個ものスワロフスキーが飾り付けられています。
その結果、実写版のドレスは、ベルが身動きするたびにキラキラと輝く、素晴らしい作品になっています。
ちなみに野獣が着用しているフォーマル服は、お城の召使いのひとり、プリュメット(鳥の形をしたホウキ)が作った、という設定。
しかも、自らの羽毛でコートのデザインをペイントしたということになっているのだとか。
隠れた裏設定にも凝っていて、面白いですね。
④ ディズニープリンセスはスカイブルーのドレスがお好き!?
小さな女の子に「お姫さまの絵を描いて」と言うと、ピンクのクレヨンを使ってドレスを描くはずです。
しかしベルを始め、白雪姫、シンデレラ、エルサなどのディズニープリンセスは、ピンクのドレスを着ていません。
よく観てみると、ディズニープリンセスはスカイブルーのドレスを好んで着用しています。
シンデレラや「アナと雪の女王」のエルサ、そして「美女と野獣」のベルも(普段着は)スカイブルーのドレスを着ているのです。
一説によると、ディズニープリンセスが着るスカイブルーは、名称通り「空」をイメージしているのだとか。
またヨーロッパでは「サムシングブルー」と言って、「結婚式で青いものを身につけると花嫁は幸せになれる」との言い伝えがあるそうです。
他にもキリスト教では、聖母マリアのシンボルカラーがブルーになっていて、「純潔」を表しているという説もあります。
ドレスひとつに注目するだけでも、たくさんのエピソードがあってとても興味深いですよね。
3. 「美女と野獣」ベルがドレスを脱いだ深いワケ
実写版では、物語の後半、ベルは素敵な黄色のドレスを脱いで野獣の城を出ます。
ベルはなぜ、ドレスを脱いでしまったのでしょうか?
それでは、ベルがドレスを脱いだ深いワケについて紹介していきます。
ドレスと一緒にベルは「自分の臆病さ」を脱ぎ捨てた!?
実写版「美女と野獣」では、父親が連れ去られることを知ったベルが、舞踏会で着用していた黄色いドレスを脱ぎ捨てて村へ戻ります。
このとき、カメラは脱ぎ捨てられたドレスを大きくアップで映し、焦点を当てています。
これはアニメ版にはないオリジナルのエピソードですが、この部分にはどんな意味があるのでしょうか?
先ほど、黄色には「知性」や「自分らしさ」といった意味があると紹介しました。
ではベルは、自らの知性や自分らしさを脱ぎ捨ててしまったのでしょうか?
でもそれでは、父親を助けに行くベルの姿とちぐはぐになってしまいます。
実は、黄色には「臆病」「感情から来る不安・恐れ」といった意味もあるのです。
となると、ベルが脱ぎ捨てたのは「臆病で自分の気持ち(野獣に対する愛情)に正直になれない自分」とも取れるのではないでしょうか?
だからこそ、ベルはドレスを脱いで勇敢に立ち向かい、息絶えた野獣に向かって「愛しているわ」と言うことができたのです。
エンディングでベルは白いドレスを着て、人間の姿に戻った王子とダンスを踊ります。
このドレスが白い意味は、当然分かりますよね。
そう、花嫁の色です。
4. エマ・ワトソンがベルを熱演!実写版「美女と野獣」の見どころ3選
「美女と野獣?ストーリーも知っているし、今さら実写なんて観なくてもいいよ」という方もいるかもしれませんね。
でも、一回も観ないなんてもったいない!
新たな魅力がいっぱいの実写版「美女と野獣」、その見どころ3選について紹介していきます。
①最新の映像技術によって蘇った名場面の数々
実は「美女と野獣」の実写化はこれで3回目です。
とは言え前2作品はディズニーからの公開ではなく、エマ・ワトソン版「美女と野獣」が初のディズニー作品。
昨今の映像技術については皆さんご存じの通りですが、今回の「美女と野獣」でも最先端の映像技術の力が存分に発揮されています。
野獣や、ロウソクのルミエール、ポット夫人を始めとする個性豊かなキャラクターたちが、最新のCG技術で本当に存在しているかのようにイキイキと動き、歌います。
ちなみに、主役のエマ・ワトソンは、
「撮影で一番退屈だったシーンは、ルミエールを始めとするキャラクターたちがテーブルで歌うシーン」
と明かしたそうです。
「私は何日も、何もないテーブルの前に座って、何もないところを見つめる演技をしなくてはいけなかったの」
とのこと。
なるほど、後でCG合成をするためなので仕方ないのですが、そのシーンのために空っぽのテーブルに向かって演技しなければならないエマにとっては、さぞつまらない時間だったことでしょう。
エマ・ワトソンが「最も退屈だったシーン」、実際はどのような映像になっているのか、ぜひご自身の目で確認してみてくださいね。
② アニメ版にはないオリジナルストーリー
私も、実写版「美女と野獣」を観る前までは、ストーリーに関しては特に期待することなく映画館に行きました。
有名なストーリーなので、観たことがない人ですら、あらすじを知っていますよね。
しかし実際に観てみると、アニメ版にはないオリジナルストーリーが展開されていて、良い意味で驚かされました。
ベルはどうしてお父さんと仲よしなのか、どうして田舎町で暮らしているのか。
また、どうしてベルは本が大好きなのか。
こうした要素を深掘りしている箇所は、アニメ版にはない部分。
これらのエピソードが追加されたことでストーリーに一気に厚みが増したような印象を受けます。
③ウットリする舞踏会シーンは必見!
公開前から予告CMでバンバン流れていた、ベルと野獣のダンスシーン。
物語の中でも非常に重要なシーンですよね。
これはもう、実写版で観ると本当にウットリしてしまいます!
とにかくエマ・ワトソン演じるベルが美しいんです!
また、見た目は怖い野獣が、このシーンでは何だかカッコ良く見えてしまうから不思議なもの。
実写版では本当に綺麗なシーンに仕上がっているので、女性ならウットリとため息をついてしまうこと、間違いありません。
5. まとめ
ここまで、ベルが長い間女性から人気な理由や、ベルが着ているドレスの色の意味、そして実写版「美女と野獣」の見どころなどについて紹介しました。
今も昔も多くの人を魅了している「美女と野獣」。
ストーリーだけではなく、衣装や裏話など細かな設定を知ると、また新たな魅力が発見できますよね。
まだ実写版「美女と野獣」を見ていない方は、ぜひ映画館に足を運んで、その素晴らしさとベルの魅力に触れてみてください!